タワーマンションの暮らし

タワーマンションの防災備蓄:7日間を住戸で過ごすための考え方

公開・更新: · TOWERS.SELECT

タワーマンションの住戸に、水・食料・非常用トイレ・照明など7日間の防災備蓄を整えたイメージ
生成したイメージ画像です。実在の商品・住戸を示すものではありません。

タワーマンションの防災は、避難袋を一つ買って終わりではありません。建物に大きな損傷がなく在宅避難できても、エレベーター、給排水、電気、通信のどれかが止まると、高層階ほど物資の運搬と日常生活が難しくなります。

東京都は、被害が軽微ならマンションで在宅避難できる一方、各家庭とマンション全体の両方に備えが必要だと案内しています。この記事では商品名から選ばず、必要量を先に計算し、管理規約と建物設備を確認してから購入候補を絞ります。東京都「マンション防災」

家庭とマンション全体で確認する項目は、東京都のリーフレットでも一覧にできます。東京都「マンション防災」リーフレット

最初に、住戸で過ごせる状態かを確認する

在宅避難は、建物や住戸に倒壊・火災などの危険がなく、行政や管理組合から退去の指示が出ていない場合の選択肢です。備蓄があることと、住戸にとどまって安全であることは別です。発災後は建物の掲示、館内放送、自治体の情報を確認します。

事前には、管理規約や防災マニュアルで非常用発電の対象、給水方法、防災備蓄倉庫、安否確認、エレベーター停止時の運用を確認します。共用部の備蓄は住戸内の備蓄を必ず代替するとは限らないため、配布対象と数量が分からないものは自宅分へ数えません。

水と食料は、人数×7日で必要量を出す

消防庁は、最低3日、できれば1週間分の水と食料を備えるよう案内しています。飲料水は1人1日3Lを基準にすると、1人7日で21L、2人で42L、4人で84Lです。生活用水は別に考えます。消防庁「大地震から命を守るために」

7日分の飲料水の目安(1人1日3Lで計算)
人数 必要量 2Lボトル換算
1人 21L 11本程度
2人 42L 21本
4人 84L 42本

一か所に積むと取り出せないことがあるため、水と食料は住戸内で分散します。食料は普段食べる缶詰・レトルト・飲料を少し多めに持ち、古いものから使うローリングストックにすると、期限切れと買い直しを減らせます。乳幼児、持病、アレルギー、ペットの分は一般品とは別に数えます。

マンションでは、トイレを水より先に確認する

断水していなくても、排水管や下水設備の状態が確認できるまではトイレを流さないよう案内される場合があります。上階から排水すると下階であふれる可能性があるためです。東京都もマンションの在宅避難で「トイレは流さない」を注意点として挙げています。東京都「マンション防災」

非常用トイレは、便器へかぶせる袋、凝固剤、防臭用の保管袋を一組として数えます。家族の一日の使用回数を実測し、人数×日数に予備を加えます。購入後は一度組み立て、袋の大きさと保管手順を確認します。

停電への備えは、明かり・連絡・情報を分ける

室内を照らすランタン、移動時に両手を空けるライト、スマートフォン用の予備電源、電池で動くラジオは用途が異なります。一台の多機能製品だけにまとめず、電源方式も乾電池と充電式へ分散すると、一つの故障や電池切れで全部を失うのを避けられます。

モバイルバッテリーはPSE表示、容量、使用端子を確認し、充電日を記録します。長期間放置せず、膨張・変形・異常発熱があれば使用を止めます。カセットコンロなど火を使う器具は、建物の規約、換気、メーカーの使用条件を確認できない限り一律には勧めません。

買った後に、年2回の点検へつなげる

備蓄は購入時ではなく、必要なときに使える状態で完成します。春と秋など年2回、食品と水の期限、電池残量、家族構成、服薬、ペット用品、連絡先、管理組合の防災手順を確認します。使った分を補充し、収納場所を家族で共有します。

内閣府が紹介した超高層マンションの事例では、エレベーター停止やライフライン復旧までを考え、5〜7日分の備えや階ごとの分散備蓄を行っています。自宅の備蓄と共用部の備蓄を分けて把握し、どちらか一方へ依存しないことが重要です。内閣府「超高層マンションの災害に備えた備蓄」