タワーマンションの暮らし

タワーマンションの家具転倒防止:高層階で固定器具を選ぶ手順

公開・更新: · TOWERS.SELECT

高層住戸で本棚・収納・冷蔵庫を固定し、避難経路を確保した家具転倒防止のイメージ
生成したイメージ画像です。実在の商品・住戸を示すものではありません。

タワーマンションの地震対策は、建物の耐震性能だけでは終わりません。室内では家具の転倒・落下・移動が負傷や避難経路の閉塞につながります。東京消防庁は、概ね10階以上では従来の転倒・落下防止に加え、長周期地震動を想定した移動防止も大切だと案内しています。東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策」

固定器具を先に買うのではなく、①置かない・配置を変える、②壁と天井の構造を確かめる、③家具ごとに器具を選ぶ、④施工後も緩みを点検する、の順で進めます。賃貸や共用部分に関係する施工は、管理規約と貸主・管理者への確認を先に行います。

最初に、倒れても人と出口を塞がない配置へ変える

寝床、ソファ、在宅勤務席の近くでは、家具が倒れる向きと引き出しが飛び出す範囲を確認します。出入口や廊下の前には背の高い家具を置かず、倒れても通れる幅を残します。重い物は下段へ移し、使用頻度の低い物は納戸や造り付け収納へ集約します。器具は配置上の危険を減らした後の対策です。

消防庁も、建物が無事でも家具の転倒でけがをしたり避難経路を塞いだりすると説明しています。まず家具の数と置き場所を見直すことで、器具の数を減らし、固定後に残る危険も小さくできます。消防庁「家具・家電製品―家具の転倒を防止」

壁ならどこでもねじ固定できるわけではない

集合住宅の壁には、コンクリートへ直接仕上げた壁、下地のある間仕切り壁、防露のため断熱材を挟んだ壁などがあります。消防庁は、S1壁やGL壁など、直接家具を固定できない壁があると説明しています。見た目や叩いた音だけで決めず、図面、引渡し資料、管理会社、施工者へ下地と固定可否を確認します。消防庁「壁ならどこにでも固定できるってわけじゃないよ」

ねじを使うL型金具は、壁側の下地と家具側の強度が足りて初めて機能します。下地のない石こうボード表面だけ、薄い家具背板だけへ固定しません。賃貸住戸や躯体への穴あけは原状回復・管理規約に関係するため、自己判断で施工しません。

ねじ固定できないときも、一つの器具だけに任せない

壁へ固定できない場合は、家具上部の突っ張り式器具と、足元のストッパーや粘着式器具を組み合わせる方法があります。ただし、天井が器具の力に耐えられること、家具上面との隙間が製品の範囲内であることが前提です。柔らかい天井や吊り天井へ、説明書に反して設置しません。

家具の動きは、形、重量、床材、建物の構造や階数で変わります。消防庁は、背の高い家具が前後に揺れながら移動するロッキング移動など、複数の動き方を示しています。『耐荷重が大きい器具を一つ』ではなく、家具と設置面に合う方法を選びます。消防庁「家具って、こんなふうに倒れるの」

冷蔵庫、扉、ガラス、キャスターを別々に確認する

冷蔵庫は本体の指定固定部と壁側の下地を使い、必要な放熱間隔を残します。食器棚は本体の転倒防止に加え、扉・引き出しの開放防止と、家具ガラスの飛散防止を分けて考えます。テレビや電子レンジは台だけを固定しても機器が落下するため、本体側の固定方法も確認します。

キャスター付きワゴンやテレビ台は、通常時に動かす必要があるかで方法が変わります。動かさない物はキャスターをロックした上で移動防止具を使い、日常的に動かす物は使用後に所定位置で固定できる運用にします。窓ガラスへのフィルムは熱割れや規約の確認が必要なので、家具ガラスと同じ判断で貼りません。

施工日を記録し、半年ごとと模様替え後に点検する

取り付けた器具ごとに、場所、製品名、施工日、対応重量、下地の確認方法を記録します。春と秋など年2回、ねじ・ベルト・粘着面・突っ張りの緩み、家具の変形、天井面の異常を確認します。引っ越し、模様替え、床材変更、収納物の増加後は、その都度やり直します。

固定後も安全を保証するものではありません。地震後は家具や壁へ近づく前に傾き・破損を確認し、危険があれば管理者や専門業者へ相談します。購入候補は下の確認条件で絞り、説明書に適合しない器具は使いません。