タワーマンションの暮らし

タワーマンションの停電対策:モバイルバッテリーとポータブル電源の選び方

公開・更新: · TOWERS.SELECT

夜の高層住戸にポータブル電源・モバイルバッテリー・LEDランタンを備えた停電対策のイメージ
生成したイメージ画像です。実在の商品・住戸を示すものではありません。

タワーマンションでは、停電すると住戸の照明やコンセントだけでなく、エレベーター、給水、オートロック、通信設備などの共用機能も影響を受ける場合があります。住戸内の電源だけを買っても共用設備は動かせないため、管理組合の防災資料で非常電源の対象と継続時間を先に確認します。

この記事では、照明・連絡・情報収集を優先し、動かしたい機器の消費電力と時間から必要量を決めます。発電機を住戸やバルコニーで使う計画は立てません。NITEは携帯発電機を屋内で絶対に使用しないよう注意しており、排ガスの逆流を避けるため開口部から離れた風通しの良い屋外が必要です。NITE「停電時の発電機によるCO中毒や、復旧後の通電火災に注意」

まず、停電中も必要な機器を三段階に分ける

最優先は、足元と室内を照らす照明、スマートフォンなどの連絡手段、自治体や管理組合の情報を受け取る機器です。次に、家族の事情に応じた機器、最後に快適性のための機器を分けます。医療機器は一般のポータブル電源へ自己判断で接続せず、機器メーカー・医療機関と停電時手順を事前に決めます。

政府広報も、予備バッテリー、LEDライト、ラジオ、乾電池などを備え用品として案内しています。すべてを一台へまとめず、乾電池式照明とUSB機器など電源方式を分け、一台の故障で照明と通信を同時に失わない構成にします。政府広報オンライン「災害に事前に備える」

必要量はWh、動かせるかはWで確認する

必要電力量の目安は、機器の消費電力W×使用時間hでWhを計算します。例えば10Wの機器を5時間なら50Whです。実際は変換損失、待機電力、低温・高温、電池の劣化があるため、計算値どおりの時間は保証されません。購入前にメーカーが示す条件付き稼働時間と照合します。

ポータブル電源は容量Whだけでなく、同時に出せる定格出力Wを確認します。電気ケトル、電子レンジ、ドライヤーなど消費電力の大きい機器は、短時間でも出力上限を超えることがあります。平時に消費電力チェッカーで測り、優先機器を一台ずつ起動して必要量を確かめます。

モバイルバッテリーとポータブル電源を分けて選ぶ

スマートフォンやUSBライトだけなら、持ち運びやすいモバイルバッテリーを複数に分ける方法があります。ACコンセントを使う機器まで対象にすると、ポータブル電源の容量・出力・重量・保管場所を比較します。『大容量』という表示だけで選ばず、Wh、端子、定格出力、保証窓口を同じ表で比べます。

経済産業省は、ポータブル電源には火災・感電などの電気的リスクがあり、事故が増加傾向にあるとして安全性要求事項をまとめています。価格や容量だけでなく、製造・輸入事業者、国内連絡先、説明書、保証、リコール対応を確認します。経済産業省「ポータブル電源の安全性要求事項」

リチウム電池は購入後の保管と点検まで含めて選ぶ

消費者庁は、事業者名・型式・仕様・連絡先が確かな製品を選び、対象となるモバイルバッテリーではPSE表示を確認するよう案内しています。PSE表示は国が個別製品を認証した意味ではなく、ポータブル電源はモバイルバッテリーと同じ規制対象とは限りません。表示一つで安全と判断しません。消費者庁「リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意」

直射日光、高温、結露、可燃物の近くを避け、取扱説明書の温度・充電条件で保管します。落下や浸水をさせた物、膨張、変形、異臭、異常発熱がある物は使用・充電を止め、自治体とメーカーの回収方法を確認します。半年ごとに外観、残量、端子、リコール情報を点検します。

停電中と復旧後の手順を、電源と一緒に保存する

停電したら、熱を出す機器や回転機器のスイッチを切り、必要に応じてプラグを抜きます。浸水、転倒、コード損傷がある機器は再通電しません。復旧後は一度に全機器を戻さず、異臭、煙、異音、異常発熱がないか確認します。資源エネルギー庁「停電の時にすべきこと・すべきでないこと」

電源本体には、優先機器一覧、必要ケーブル、取扱説明書、最終充電日、次回点検日をまとめます。非常時だけ初めて使うのではなく、半年ごとの点検時に照明とスマートフォンを実際に接続し、家族全員が起動・停止できることを確認します。